世界の中心で愛をさけぶ
泣きました。ええ泣きましたとも。シャツの襟が濡れる程に泣きました。とても悲しく切ないお話。映画館そこらじゅうですすり泣き。隣の人も泣いてました。ただ、全体として焦点がボケた感じというか、何が言いたいのかがハッキリしない映画だなーと思いました。
とりあえず悲しいお話なので泣きました。とりあえずとは書きましたが、やっぱり泣けるっていうのはその世界に入り込んでるわけで、そういう意味でとてもいい映画でした。ボロボロ泣きましたからね。交換日記ならぬ、交換テープも何だか眩しい。羨ましいけどあんな事できません…(笑)朔と亜紀みたいに純粋にお互いが好きで、必要で…。そんな恋愛を観てると眩しい。原作「世界の中心で、愛をさけぶ」は結構酷評されてる場面をよく観るんですけど、映画は好きです。原作も読んでみたくなりました。
中心的に描かれる1986年は、ちょっとその時代の雰囲気を出し切れてない感じはありました(朔の髪型ちょっと今風じゃない…?)けど、画が綺麗っていうか、何か素朴っていうか純粋っていうか透き通った雰囲気が全体を通してありました。
律子(柴咲コウ)の出番があんまし多くなかったのは残念。関連作品に「指先の花」という律子に焦点を当てた物語もあり、気になるトコロです。
さっき焦点がボケたって書きましたが、この映画、朔と亜紀の輝かしくも儚い恋を中心に描かれているワケですが、それって高校生2人が恋をして、女の子が白血病で死んでしまうっていう話なんですよね。色々なエピソードが盛り込まれているんですけど、観た人は亜紀が死んでそりゃ悲しくて泣くわけです。ただ、全体のストーリーとしては朔と律子の話じゃないの…?とか、中心は結局どこ?という感じ?「朔が亜紀の死から立ち直るストーリー」という事でしょうか。そのKeyとして律子が最後に渡せなかったテープがあるのは間違い無いですね。うーん。そういう事なのか?原作がどうなってるのかは知らないんですが、もっと現在の朔が、1986年の思い出と向き合っているシーン(1986年の回想だけではなく)を盛り込んで欲しかったというか、そしたら「朔の物語」になれたのに…。どうしても悲しさで惹きつけようとしていると取られて仕方ない作りになってしまっている気がします。そんな事言ってますが、この映画好きでしたよ。ていうか、さりげなくちゃんと分かってる自分がいるので、これでいいんだって気もしてきました。朔太郎は亜紀の死を20年近く経って乗り越える事ができた。それは、亜紀のテープのお陰でもあるし、それを届けた律子のお陰でもある。一緒に行こうと言っていた「世界の中心」に、結局は律子と行ったというのも感慨深い。「乗り越えた」感いっぱい。あぁ、やっぱ原作読みたいね。
朔太郎と亜紀の物語にズバッと焦点を当てきった映像詩「朔太郎とアキの記憶の扉」っていうDVDも出ていてどうやらこれの評価はとても高い。映画では省略された原作の名台詞なども出演者によるナレーションで加えるなどされていて、“本編映像、メイキング、美しい実景などのストック映像から選りすぐりの名場面で構成”って事でこっちも気になりますね。
「世界の中心で愛をさけぶ」って言うから、何か叫ぶのかと思ったらそうでもなかった。けど、最後亜紀の灰を“世界の中心”で風にちらしたシーンの朔の清々しくて晴れやかな表情は、「あなたの今を生きて欲しい」といった亜紀にとっても嬉しかったんじゃないかな。
この作品、関連作品も非常に豊富です。







